Sunday, September 8, 2013

Ironman 70.3 World Championship in Las Vegas -後編-


レース当日。


朝3時45分に起床。
駐車場が混むかもしれないから早めに出ることにして、4AM に愛知県組とホテルを出た。


ザーザーザーザー...


シトシトどころではない。
本当にざぁざぁ雨が降ってるのだ。




とにかくスタートに行かないといけないので、途中でSogaさんをPickupして会場に向かった。
そのうち夜も明けてきて空の全貌が見えてきた。
ずーっと向こうまで続く雲。


T1に行ってセットアップをする。
私のタイヤは前日にWheel替えた時にしっかり空気を入れておいてくれて、しかも抜くのを忘れたのでカンカンに硬いまま。
なのでドリンクだけセットしてあっという間に準備はおしまい。
雨脚は段々強くなってきた。


前日チェックインした時のT1





Swimまでは時間がまだあったのでHiltonの回廊で雨宿り。

スタート前に愛知県組と一枚パチリ。

























- Swim -

SwimはLakeLas Vegasを泳ぐ。
Lakeっちゅうよりは、池だな。いや、むしろ沼。
ナマズとかいそうな感じ。


コースは ナマズ君と一緒に泳ぐ一周回。波も風もないので簡単なコースであーる。


今回のSwimの目標はいつもの平泳ぎじゃなくてクロールで全部泳ぎきること。
どんなに時間がかかってもいいのでとにかく平泳ぎには絶対切り替えないこと。



スタート時間が近づいてきたので、決められたAgeのところに並ぶ。
愛知県のFukuiさんSogaさん、そしてAyakoさんもみんな一緒なAge枠。もうひとり日本から来た人が同じ枠にいて、去年はすっごく暑かったとかBikeは平坦なところが無いとか、そんな話をしていた。

年寄りと女・子供は(あ、子供はいないか)先のスタートで、後ろには30-35Maleグループのでかい男たち。スタートしてすぐに上からアタックされそうだ。
遠回りしてもいいからブイから離れて泳ごう。

ナマズ沼の水は温かかった。83Fって言ってたかな。
水はハドソン川の緑とはまた違って、抹茶の粉が溶かされた感じの水。青いくさいといえば青いくさい。

入り口から泳いでスタートについた後さらに2分も立ち泳ぎさせられ、さあスタート。
プォ~ン!ってエアラッパ(?)でもなるのかと思っていたら、単にマイクで ”スタート”っていうだけだった。

端っこを泳いでいただけあってバトルには巻き込まれなかったが、泳いでいくうちに自分の枠のキャップの人がいなくなって、すぐ後ろの白いキャップが追い越していき、その後ろのグレーのキャップが追い越していき、その後ろの黄色のキャップが追い越していき、その後ろの紫のキャップが追い越していったくらいにSwim Finishが見えてきた。
45分ぐらいで終わるかなぁと思ったが、最後がなかなか到達できず結局51分かかった。
でも、全部クロールで泳いだ。

T1に行くとなんとその列には他に1台しかBikeが残ってなかった!





- Bike -


コースは国立公園の中を走るローリングヒル。Total Gain Elevationは2,500ftぐらいなので、まろやか坂が続いてるって感じかな。







Bikeの頃はまだまだ雨が強かった。
2日前にはあんなに暑くて日差しも強かったので、わざわざ濃い色のRudy Projectのサングラスを買ったのに全くもって不必要だった。

滑って転びたくないし、速い人たちがガンガン抜いていくのでおとなしく右側を走っていった。
多分15m/hぐらいなリラックス度。

本当だったら国立公園の中はこんな 風景がみれていたんだろうなぁ。



そうそう、かの高級Wheel。
ものすごくスムースである。
路面がきれいだった事もあるけど、ZIPPより全然走りがナチュラルで、まるで電気自動車に乗ってるみたい。
上り坂も筋肉に力を入れなくても大腿骨の回しがそのまま無駄なく伝わる感じ。
いやあ、このWheelあったらもうそれだけでいいかも。
誕生日に買ってほしいものを聞かれたら、絶対”Shimano C75”って言いたいな。


なので、このWheelで気持ちがよくなってきたので、後半はちょっとスピードアップ。
加速もいいんだよ、コレが!


国立公園を抜けて普通の道路、あと15マイルぐらいになるとCyclerが団子になり始めた。
そんでもって道も狭いので、抜くのも抜かれるのもちょっと難しい。

この大会はこれまで出たレースで一番マーシャルがいっぱいいた。
それだけにPenalty Tentはどこも満員御礼。
坂で抜く時にモーターバイクに乗ったマーシャルにジーっと見られることも数回あった。勿論必死こいて抜いたけど。

もう無理して抜くこともないので、最後まで無難に乗っていった。

T2が見えてきた。
Halfだけどこの大会ではボランティアの高校生が自転車を受け取ってくれて、Run用のBagも取り出してくれた。

その頃には雨もすっかり上がって、路面も乾いていた。





- Run -

もうBikeでDNFすることもないし、リラックスしてた分Runはちゃんと走らないとな。
と、心に決め走り出す。

でもやっぱ脚は決して軽くない。
「3マイルまで我慢、3マイルまで我慢、」とブツブツ呪文を自分で唱える。

コースは緩やかに下ってまた上って、下って上って、今度は長く上って長く下って(なんのこっちゃ!)、を3周回するコース。

 
 Bikeであんまり汗をかかなかったからか、走り始めてすぐに尿意が。

でも、正直止まるのは面倒。
みんな頭から水かぶってるし、えーい!どさくさにまぎれて走りションしちゃえ!

と思ったがどうもうまくいかない。
舞台が世界だけにやはりどこかで引き金が引けないのであろうか...。

なんだか落ち着かないのでやっぱトイレに行くことにした。
スッキリしたあとは何故か足取りも軽くなり、トイレに寄る事もまんざら悪くないのね、とここで新発見。


Runは3種の中でも一番の得意パートなので、いつものようにガンガン追い抜くぜ!

 と思いきや、次から次へと追い抜かれてく。
53歳のしかも太めのオバちゃんにもサーっと抜かれていく。

「あれ、あれれ?」



3周回なので、むっちゃ速く追い抜いていく人たちは多分もう2周目か最終周なのかな。
4マイル走してるくらいに速いよ。


Finish近くのサインで二股に分かれる。右はFinishLine、左は周回。
また、ここに書いてあるサインがわかりにくい!

”1st、 2nd、3rd は左”って書いてあって、そこを3回通るということは4周するっちゅう事で、え?実は4周なの?と思わせるガッカリサインなのであった。

でもどう考えても4周したらすごい時間になるから違うはず、と思って自分は走ったが、実はあれ4周した人とかいるんじゃなかろうか。

Runが始まったらすっかりお日様が出てきていたので、もわーんと蒸し暑いなかで走った。
変な細い道をカクカクと直角に数回曲がらないといけなかったりと何気に変なRunコースだった。

そうこうしてるうちに3周目の後半に入って、最後の上りふもとまで来た。
「上ったら下るだけ、上ったら下るだけ、」とまだ呪文をブツブツ。

明けない夜が無いように、下りが無い上り坂は無く、、、

ゆっくりでも上っていったら最後の下りだけになった。
そこからはもう大ステップで両手もブンブン振り回してFinish Lineに一目散。

見えた! あと30M、20M、10M、

Finish!!!!


直後にかけたもらったメダルはえらいデカいメダルだった。

いつもメダルはあげちゃうけど、これは取っておくことにしよう。

 結果は、
Rank: 50
Overall Rank: 1540
Swim: 51:37
Bike: 3:02:25
Run: 1:51:44
Overall: 5:53:49


Runはもうちょっと速く走りたかったけど、まあこんなもんかな。



最後に素晴らしいレースを運営してくれた大会関係者の方たち、2000人のアスリートに対して2000人(2直3直を入れたら延べもっと)のボランティアの皆さんには本当に感謝。
ありがとうございました!

そしてお留守番しててくれたLee(ダンナ)もありがとう。
プレゼントはWheel!なーんて事は絶対言わないからネ。


さあて、来週からまたトレーニングだぞぉ!

  



おしまい







Ironman 70.3 World Championship in Las Vegas -前編-


初めて参戦したIronman 70.3シリーズのSyracuseで8位だったにもかかわらずラッキーにもWorld ChampionshipのRoll Downが回ってきたので、ありがたーく頂くことにした。

今回はその参戦記です。


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9月5日

仕事がまだゴタゴタしていたけど、iPadもってってメールでなんとかすればいいや、とフライトに乗り込む。
NYからVegasは5時間以上かかって時差も3時間あるので、意外と遠い。
でも人生初のVegasなので、自然と胸は躍る。機内にはその週末にVegasであるGay Prideに出るためか若いGayのあんちゃんたちがガンガン飲んで楽しんでいた。

そして、、、
さあ着いたよ、Vegas。
空港のなかにもスロットマシーンがあったりと、あぁやっぱりここはVegas。


レンタカー、レンタカー...

結局レンタカーセンターは空港からシャトルで10分の遠いところにあった。でもやっぱりここはVegas、レンタカーセンターがすっごく大きいのだ。きっとカジノで一発当てた人たちがすっげーOpenCarなんかに乗っちゃったりもするんだろう。きっと、このセンターには他のとこには置いてない高価な車だって置いてあるにちがいない。

が、私は普通にエコノミークラスでGo。


目指す場所はVegas中心地の隣町Henderson。

ホテルにチェックインし、この日は車であたりを散策して終わる。
街はきれいで建物の色も決められているようだ。砂漠らしく茶褐色とベージュ。



9月6日

-昼-

今日はパケットピックアップをしなければならない。
ホテルで朝食を取っていると隣に日本人らしき人たち。
声をかけると愛知県から参戦しにきたとのこと。MaruiさんとFukuiさんである。
Maruiさんはトラ歴20年近くの大ベテラン、Fukuiさんはトラ2年目にしてWorldChampionクオリファイのツワモノ。
こうやって海外で日本人アスリートの人たちと知り合いになれるのは嬉しいことだ。

車も無いとの事なので、この日にあるパスタディナーに一緒に行くことにした。

Packet PickupはFinishラインと同じHerdersonPavilion。

9時過ぎぐらいに車でいったが外は既に暑い。
そして砂漠だからかPacket PickupやExpoのテントは全て外。

Packet PickupではWorldChampionshipだけあって、ボランティアの人が英語でもOK?と聞いてきてくれる。No!と言ってもどうにかなるかどうかは分からないが、確かにSpanishを話せそうなボランティアは多そうだ。

この後はTribike Transportでshipしてもらった我がBikeをPickup。
1ヶ月前に事故って曲がったままのブレーキが直っていた。きっと搬送のために預けたNYC Velo(自転車屋)の兄ちゃんが治しておいてくれたのかな。


-夜-

夜はパスタディナーとアスリート説明会へ。
今度はStart LineにあるWestinHotel。
正直、この大会はLogisticsがあまり良くない。StartとT2やFinishがすっごく離れているから、車無しだとタクシーを毎回頼まないといけなかったりと結構面倒。

途中でもう一人の愛知県トライスリートSogaさんをPickupして、Westin Hotelへ。



さて、Vegasだけあって、Opening CelemonyはSwim-Bike-Runをコンセプトとしたアクロバットパフォーマンス。かのサーカス団にでも発注したのであろうか...。


その後はIronmanの社長が出てきてスピーチをした。やっぱChampionshipだから社長がくるのかな。

ここでは社長をはじめPresentatorが、Ironmanが如何に素晴らしいかのプレゼンテーションが繰り広げられた。
世界のTopAthleteの映像からFundationで数万ドルを集めたAthlete、義足でレースに臨むAthleteなどなど。
勿論、それらの全てはPureに成し遂げられた結果なんだけど、右でも左でもなくウマでもゾウでもない自分は、なんだか宗教じみたように感じてしまいどことなく引いてしまうのであった。(一応、拍手とかはしたぞ)




アスリート説明会も終わって会場を出るとき、やっと見つけれた!
2012幻のNY Ironmanで一緒にレースしたAyakoさん。
今回は私のHotelがFinishに近いのに対してAyakoさんの滞在HotelはStartに近いとこ。ご飯とか一緒にできなかったのが残念だった。
「じゃあ、レースの朝!」とお互いの健闘を誓い合った。


夜のとばりもすっかり降りた砂漠の国立公園を後に、街のホテルにもどってこの日は就寝。




9月7日

この日はBike Check in。
ギリギリ4PMに持っていきたかったので時間つぶしに朝は又EXPOへ。
そこで愛知県3人組みに遭遇。
車が無いので自転車でStart/T1まで乗っていくそうな。




いつものように試食コーナーでつまみ食いをしてる時にふ思いついてTIMEXテントに寄る。

「ShimanoのWheelってみんな借りてるのかなぁ。」

そう、そのShimanoのC75というそれはそれは美しいCarbonWheelは、そこにDispalyしてあって値札は$3,499(一本ね)ナリ。これを私が最近入ったTIMEX Factory Teamにも無料で貸し出してくれるっちゅうメールが1週間前にきてたのである。
で、その時は”そんなもんレースの時に誰が替えるんじゃ!”と思って気にも留めなかったが、ここで値札を見て実は心が動いていた。

 「Oh, yeah。全員替えてるよ。」

TIMEXテントを見ると、FactoryじゃないMultisports Team(※彼らはマジでエリート軍団)の兄ちゃんや姉ちゃんたちが自分の(立派な)自転車のWheelを変えてもらっている。

「メールで使いたいって言ってないけど、今からでも使えたりするのかなぁ。」

「うーん、Checkinする時間にもよるけど、まだ大丈夫だよ。」




おっしゃーーーーーー!


 「じゃあ、すぐ持ってくるから!」

と、ホテルに急いで戻って自転車持ってきた。


で、


ジャジャン!

あぁ、わが愛車QRと何故か色合いもマッチ。
QRはキズキズだけどC75はピッカピカ。


でも、ここで安心してはいけない。
試走しなければ。

うーん、なんか違いがわからんなぁ。
それに何だか回転の度に後輪からノイズが。

駐車場で乗って原因を探そうとしてると、どこからか兄ちゃんがやってきて、「何かヘルプ要る?」と声をかけてきてくれた。

「なんかノイズがするんだよねぇ。こうやって乗らないでWheelまわすだけだと何も聞こえないんだけど。」

「ちょっと乗ってみて。」というので乗るとやっぱりノイズ。

「あぁ、それはExtensionとWheelのの隙間から出てるノイズだな。特に大丈夫だけど、気になるならシーリングしたらいいよ。」

「じゃあ、テープあるからやってみる。ありがとーー。」


で、テープしたら本当にノイズが消えた。


通りすがりの兄ちゃんまでもがレベル高いぜChampionship!


その足で(というか車で)遠く離れたStart/T1までBike Check inに行く。

ポツ ポツ ポツ...

あぁ、また雨降ってきた。

この週は特に蒸し暑いらしく、午後になるといつも大雨が降ってきた。ちょっとしたStormによるプチ洪水なんかも街では発生したらしい。





ま、レース当日の予報は40%だし、いつも降るのは午後後半だから、レース中には降られないじゃろ。




そしてレース前日の夜はWholeFoodsでMackenCheeseやピーツサラダなんか買って、ひとりカーボローディングして就寝したのであった。




後編に続く...。