Saturday, December 10, 2011

Roxbury Marathon奮闘記

ShuさんのRoxbury Marathon奮闘記です。


Race Date: 20111210

Race: Roxbury Marathon (26.2Mile)

Participants 100 Runners

Time: 3h 50m 27s (28/91人完走)

Lap (Min/Mile)

from 0 to 4.25 mile 7:18

from 4.25 to 8.5 mile 8:02

from 8.5 to 12 mile 8:01

from 12 to 15.5 mile 8:25

from 15.5 to 19 mile 8:42

from 19 to 22.5 mile 9:45

from 22.5 to 26 mile 12:18

1. Race 2か月前:

9月末に今シーズン最後のトライアスロンレース、Westchesterが終了。

ふと、年内にレースがないことに不安を感じ (レースというニンジンがないと生きていけない)、マラソンレースを探し始める。

いくつか候補をピックアップ。日帰りで参加できること、大型Holidayにかぶらないこと(なぜこの条件が必須かは聞かないで-)、この2条件をクリアしていたRoxburyに出場することに決定。

周囲の友人(米国人)に話をした。

オレ 「マラソンに出るんだ」

友人 「へー、どこ?」

オレ Roxbury

友人 「どこそれ?」(友人はWestchester在住20年)

オレ 「北のほう。家から車でone and half hour drive

友人 「ふーん。いつ?」

オレ 12月」

友人 Oh my god. It should be cold…running full marathon in December???

「...」

(無言。オレを凝視したまま5秒経過)

Good luck…(ほんまにもの好きなやっちゃなー:意訳 by オレ)

オレ Thanks.

2. Race10日前

来年のIMに向けてTri ClubCoachに練習Menuを相談していたときの会話。

オレ 「今度、マラソンに出ます」

Coach 「お、そうか。Good Luck。今まで練習で最大どれくらい走った?」

オレ 20Mileです。」

(ちなみに今年5月のフルマラソンレースに出る前に、同Coachに同じ質問をされた。

その時の私の答えは「15Mile」。

その時のCoachの反応は「oh my goodness. 15 mileの練習でフルマラソンに出るつもりか???」with 非難の目。)

(今度は大丈夫だ。

 今回は練習を積んできたぞ。

 。。。という自信は次のCoachのコメントで打ち砕かれる。)

Coach 「そうか。28Mile走っておいたほうがいいぞ。」

オレ 「え?28Mile?練習で?26Mileじゃなくて?」

Coach Yes。統計が示してる。事前に28Mileを経験しておいたほうがいい。」

オレ 「。。。」

Coach 「。。。」

無言でオレを見つめるCoach

 元Kona Ironman Finisherの眼光鋭し。

 そして、徐々にプレッシャーに押されるオレ。。。弱)

オレ 「い、、、いえす、サー。」(泣)

Coach Good Luck。」

3. Race 1週間前

ということでRace1週前の週末に28Mile Run敢行。

結果、13Mileまでは8分/Mileの良いペース。

が、いつものごとく後半、陥落。

特に20Mileを過ぎてからの落ち込み激しく、ラスト3Mile10/Mile

この1週間でNutrition、睡眠、テーパーで体調を整え、どこまで落ち込みをカバーできるか、が課題となった。

4. Race3日前

今更ではあるがレースマップをチェック。

8Mile を往復した後、3.5Mileの周回コースを5周」

うん?5周?周回コースを5周?しかも3.5mileコース?

それって近所の小学校・スーパーを回ってくるのとおんなじ距離やん!

そんな短距離を5回も回るんか?

恐るべし、参加者100人の超ローカルレース。

果たして5回も数を数えられる?まぁ、いいか。。。

ちなみに、実際のレースでは5周のカウント自体は全く問題なかった。

問題はそこじゃなかった。

大きな問題になったのは高低差だった。

Elevations:

Start/Finish 580 feet

High Point 690 feet

Low Point 357 feet

「高低差最大で約300Feetか。10mくらい?ふーん。。。」

一応、数字は目にしていた。

しかし、このとき、この数字が及ぼす苦しさを知る由もない。。。

5. Race当日

AM5:00起床。

目覚ましがなる前に目を覚ます。

当日は「レースが楽しみで仕方ない」心境になるかと思いきや、

珍しくプレッシャーを感じた。

それなりに練習は積んできた。

成果を出せるはず。

その思いがプレッシャーになったか。

ある意味、そういう心境になれるのは幸せなことである。

AM6:30自宅出発。

気温36F

でもあまり寒さを感じない。

朝練習で慣れたかな?

AM7:30会場着。

手作り感満載のスタート会場。

参加費$10(!) を払ってチェックイン完了。

超マイナーレースゆえ、今回は自分でドリンクホルダーで飲み物を携帯して走ることにした(→これ、大正解。練習通りに1Mile毎にDrinkを摂取できた。設置されていたAid Station2-3Mile毎)。

6. Race開始

a. 0-4.25Mile

レーススタート。手元時計で8910分を過ぎてもMile表示が出てこない。ひょっとして距離表示なし?レース前の不安的中。練習で身に付けたペース感覚を信じて走るしかない。

でも、なんだか自分自身がフワフワして集中力なく、ペースが良く分からない。

レース前に眺めていたコースMapを思い出し、途中のMile数を頭の中で計算。

最初の折り返し地点=約4Mile と割り出す。

その折り返しが31分。

Over paceである。

自重するように言い聞かせる。

b. 4.25-8.5Mile

途中、子連れの一家の応援に出会う。100m手前から男の子達が「イェーイ!」と歓声を上げる。

これは応えるしかない。80M手前からガッツポーズで返す。

更に盛り上がる歓声。

「サンキュー、ガーイズ!」と叫ぶオレ。

更に盛り上がる歓声。

そして走ること以外に体力を使って疲れてしまうオレ。

折り返してスタート地点まで戻ってきた。これから5周の周回コースに入る。スタート地点で別の子供連れに出会う。今度は女の子3人。小学生かな。サンタの帽子をかぶってる。お、みんなかわいい。

ここは当然、笑顔で答える。

「いえーい!」

オレ、ピースサインで腕ふりまくり。

女の子たちからも「ピースサイン!」と黄色い歓声。

オレ、かなり幸せ。

c. 8.5-12Mile(周回コース1周目)

周回コースに入ったころからようやくペースもHRも落ち着いてくる。途中、砂利道&下り坂もあったがあまり気にならない。8 Min/Mileを維持。途中、1個目のGUを摂取。寒さで少し固くなっており、飲み込むのに苦労した。

再び子連れの家族の前を通過。

そうか、周回コースだから合計5回も前を通るのか。

毎回、ピースサインとガッツポーズっていうのも芸がないな。

サンタの帽子でも持ってきたら良かった。

次回レースはポケットに何か仕込んで、マギー司郎よろしく手品でもやるか?

などとアホなことを考えながら走る。

(が、しかし3週目以降、子連れ家族は姿を消す。考えたら気温40F前後。4時間もじっとしとれんわな。)

(その中でもレースを運営してくれるボランティアの皆さんには感謝である。Aidでドリンクをとることは一度もなかったが、毎回「Thank you」の言葉はかけ続けるようにした。)

d. 12-15.5Mile(周回コース2周目)

2周目に入ったころから足が重くなり始める。

ここからが課題、こっからはペース上げてもいいぞ。ということで気持ちの上では自重解除。

e. 15.5-19Mile(周回コース3周目)

思いと裏腹に上がらないペース。でもまだ3.5H切りの可能性を残す。踏ん張れ、オレ。

途中、2個目のゼリーを摂取。今度はPower Bar Brand。これは固くなっていなかった。おお、さすがIMブランド。使えるぜー。

f. 19-22.5Mile(周回コース4周目)

4周目に入るとグロッキー状態。

特に下りがつらい。1周目は何ともなかった下り坂がつらく感じる。11歩が足の甲、膝、腰に痛みを突き刺す。

コースマップの高低差の数字の意味をようやく理解する。

高低差10M

されど10M

しかもそれを5回。

合計50Mか???

ときどき、砂利道に足をとられ、ふらつく。

対向車が来てもよけるのもままならなくなる。

ドライバーのおばちゃん、すんません。

もうよける元気ありません。。。

中学時代、学校の裏山の砂利道を走り回っていたことを思い出す。

山中で犬に追いかけられたことを思い出す。

山中で道端に並んで座ってるカップルに出くわし、意味もなく怖かったことも思い出す。

(大声あげて、めっちゃ走って逃げたことを思い出す 

→ 別に何かをされた訳ではない。

良いムードのところ、邪魔しちゃってごめんなさい。)

思考がネガティブになる。

本番は来年夏のIMだ。

少しくらいペース落としてもいいかな。それでも自己ベストだよな。

あんまり無理すると関節に良くないよな。

やっぱり練習不足だな。

また出直せばいいよな。

・・・そして落ちるペース。。。

坂を下りきるとAid Stationがある。

それまでもDrinkをとることはなかったが、

Thank youの声だけはかけ続けていた。

今回も「Thank you」と言って通り過ぎようとすると、

Aidのお姉さんから笑顔で一言。

Still Smiling?

その一声に気づく。

そうか。

オレ、まだ笑えていたのか。

いつも、レースで心がけていることがある。

Raceを楽しむこと」

そして、

「レースを支える運営者・ボランティアの人達には感謝の意味を込めてサンキューの言葉と笑顔を返すこと」

自分がレースを楽しんでいる姿勢を見せることで、感謝の意を表現したい。

レベルは全く違うけど、

テニスの伊達さんのように、

Konaを制したchrissie wellingtonのように、

レースを通してその姿勢を見せる、

そういうアスリートを目指したいと思っている。

Still Smiling?」の一言はその思いを思い出させてくれた。

今、あきらめたらあかん。

できることをやろう。

上半身はリラックスさせながらも姿勢はキープ。

坂では歩幅を小さくしてリズムを保つ。

給水は少しずつ定期的に。

練習でやってきたことを愚直に実行する。

そして、歓声には笑顔でこたえる。手を振る。

しかし、時々現実に引き戻される。

気を抜くと歩きそうになる。

立ち止りそうになる。

体はこれ以上ペースを上げるのを拒否する。

しかし、心で歩くのを拒否する。

その狭間でペタペタと走り続ける。

はたから見てると歩いてるように見えたかもしれない。

実際、登りでは早歩きしているランナーに抜かれた。

かくして4周目終了。この時点で3.5H切りは絶望的。

残り1周。。。

g. 22.5-26Mile(周回コース5周目:Final Lap

ペースが落ちる。

心拍数が落ちる。

歩幅が狭くなる。

体が寒さを感じ始める。

でもボランティアの人たちはそこにいる。

ボランティア How many laps left? Final Lap?

オレ Yes. This is the last one.

ボランティア Owe some! Great Job!

Topから周回遅れしてるオレの残り周回数まで分かんのか?

彼らの存在は非常にありがたい。

Thank you」の言葉を発してその場をかけ抜ける。

ペースは上がらない。

けど、歩くことだけは頑なに拒否。

歩くことがいかに楽かは分かっている。

そして一度それをやってしまうと、取りつかれてしまうことも知っている。

もう一度走ることがいかに苦痛かも知っている。

歩いたらあかん。

そして、最後のAid Stationの前を通過。

最後に(それまで温存していた)投げKissをトライ。

しかし、既に体にその元気なく、中途半端に終わる。

Aidの姉ちゃん、かわいかったのに(泣)。

投げKissで盛り上げたかった。

黄色い歓声を受けたかった。

次回のレースでは投げKissは元気な内にやっておこう。

(どんな反省やねん。。。)

そして走る。

走る。

走る。

ようやく最後の角が見えた。

最後の角を曲がり、残り0.5Mile

ゴール会場が見えてくる。

「シュウヤーギ、、、ユー、、、アー、、、アイアンマーーーン!」

アナウンスが響く。

大歓声が上がる。

オレの心の中で。

Ironmanのゴールって、どんな感じかなぁ。

心の中で大歓声に応えるオレ。

でも、もっと練習しないと、

しかも時間かけて少しずつ距離を延ばさないと、

全然あかんな-。。。

ようやくゴールラインにたどり着く。

3時間50分。

何とか自己ベストは達成。

ゴール後、帽子をとって振り返り、コースに一礼。

やっと終わった。

完走メダルも、

参加賞も、

タイムチップも、

何にもない小さな大会だったけど、

Ironman Syracuseとおんなじくらい、

深く、熱い思いを感じさせてくれた大会だった。

運営者・ボランティアの皆さん、ありがとう。

そして、最後まで歩くことはなかった。

頑張ったぞ、オレ。