Friday, August 11, 2017

ウルトラバイクレース IncaDivide2017 レースレポート8


8.おわりに

 IncaDivideレースはあまりにもスケールが大きくて特に私は25日間もかけたので、多くの人は完走したことを驚いているのではないかと思います。正直私も完走できる確信はありませんでした。

 そこで、少々硬い内容ですがどんなアプローチで臨んだのかをここで少しだけ。私の仕事はITProject Managementなので、これも“カットオフ内に完走する”ことを目的としたProject Managementとして考えました。Water Fallというメソッドを適用して、これは事前に最後までの行程を全て計画して現地ではそれに沿って実行していくというものです。計画にあたっては様々な情報集めをして予想するリスク等々を加味していくわけですが、何よりも重要なのは、“やれないことは最初からやらない”ということです。
 現地事情を知らないわけなので、じゃあやれるやれないはどうやって判断すれば?という話になりますが、私の場合1日に平均150㎞程度は乗らないと間に合わないので、荷物なしで高地でもない176(110mile)3,300m(10,000ft) Elevation Gain のコースを休憩合わせて10時間以内でこなせないとまず無理だろうと位置付けました。このプラクティスはもちろん申し込みの前に試してます。そう計画はしても、実際現地では思いのほか時間がかかったり犬に嚙まれたりと予測してなかったことが多々起きたりしたのですが、もうそれは臨機応変に対応して調整するしか方法はないです。

 「やめたいと思ったことは?」とレース後のインタビューで聞かれましたが、やめたいと思ったことは無かったです。これまでにレースという名がついているもので自分でやめたことは一度もないので、今回もレースだったし条件がそろっている限り完走するのは当たり前としか思っていなかったです。
 その条件とは3つ。1.バイクが乗れる状態 2.身体がバイクに乗れる状態 3.iPhoneがちゃんと使える。その条件が揃っていたからやめる理由も見つからなかった、とも言えるかもしれません。
 それに、例え山奥でガタガタ道でウゲゲ~と意気消沈したとしてもそこで一生止まってるわけにもいかず、どのみち次の大きな村まで自分で行かなければいけない。そうしたら、そこはその日の目的地だからとりあえずまあ食べて休もう、という具合になるわけです。結局は11日のリセットの繰り返しという事なんですね。だからこそ無理した行程は避けてメンタルでもフィジカルでも次の日に影響させないようにする事は大事でした。


 うんちくはこの辺にしておいて、来年のレースについてアップデータがあるので共有しておきます。このレポートで少しでも多くの人がこのレースに興味をもってくれたら良いなぁと思っているのですが、1か月もお休みを取れる人はそうそういません。が、そこで朗報です。
 来年のIncaDivide10日間のカットオフで距離も短くスタートも低地からにするそうです。だから数日前に現地入りしなくても乗りながら高地に順応していけるようです。往復フライト合わせて2週間のお休みで完結できるのではないでしょうか。
 またスタートとフィニッシュを同じ場所にするので、フライトやバイクのロジスティックについて面倒な事も考慮しなくてもよく、そして何よりも、舗装してない道はたった10数kmだそうです。それなら普通のロードバイクでも耐えられそうですね。(※現地にはチューブすら売ってないのでその点はご留意を)
 但し、距離単位の獲得標高数(Elevation Gain)と高度はきつくなるようです。それと引き換えに息をのむアンデスの景色がそこには待っているそうですよ。
 まだ詳細は詰めてる最中だそうですが、適宜Bikingman.comを見てください。News Letterにサインアップしておくのもお薦めします。そして、まだ見ていない人はこの動画も是非ご覧あれ。


 最後に、このレースを通して自分の中で何が変わったかというと、何てことはないとてもシンプルな事でした。改めて大事だと気付かされたのは、

“家族(Leeとワンコたち)を大事にして地道に生活する“

という事でした。


~おしまい~


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