Thursday, August 10, 2017

ウルトラバイクレース IncaDivide 2017 レースレポート6



6.グルメ編



今回は何よりも得意な分野。



+++ おなか +++
 終始、全く問題なかった。
 お医者や他のレーサーからは「あんまりローカルなものは食べないほうがいいからね~。」と念を押されたのだけど、根っからの食いしん坊なので珍しいものを見るとついつい食べてみたくなる。特にPeruなんて健康食品のルーツとなってるものがたくさんあるので、より一層だ。そもそも海外でおなかを壊したことは無い。3,4か月間のメキシコ出張でも他の出張者が食あたりになったり下痢になったりしても一人だけ大丈夫だったり。ビールを飲みながら食べるローカルの屋台のタコスも、バケーションに行った時のお楽しみのひとつだ。そんな具合で、割とおなかは普段から鍛えられているのだ。

 食べることは脚力よりも大事だ。だって一日10時間以上も何日もバイクに乗っていたらどんなに食べても食べても身体に貯金は残らない。だから燃やす燃料がなくなると身体は途端に動かなくなる。何回か午後後半にえらく走るのがきつくなった時があったが、そんな時はいつも軽いハンガーノックになっていたんだと思う。だからおなかを壊さずに食べたいときに何でも食べれたのは、完走できた理由のひとつだ。



+++ 補給食 +++
 長いレースでは補給食は現地ですべて調達するしかない。朝とお昼は主にパンやバナナだ。EcuadorPeruもパンがおいしい。Panaderiaというパン屋さんに行くと特に朝なんかは焼きたてのいい匂いがして何個でも食べてしまいそうになる。甘いパン(Dulce)かしょっぱいパン(Sal)を確認していつも合わせて15個くらいは買って帰った。
 あと半月の形をしたEmpanadaも大好きだった。米国で食べるのよりも生地は少し甘めでむしろクッキーみたいな感じ。Polloだと鶏肉と野菜とゆで卵が入っていてCarneだと牛ひき肉と野菜だ。Empanadaが手に入った時は4つくらいはウエスト・バッグに忍ばせているので特にバッグが重くなる。
 Panaderiaが無くても村の小さな店には素朴な丸いパンが大抵ある。村のおばちゃんが木を燃やして家の窯で焼いたような小さめのピタ・ブレッドくらいなシンプルなパンだが、これがまた侮れず。薄いのだけどしっかりしてて噛めば噛むほど小麦の味がするパンなのだ。これにバナナを挟んでコンデンスミルクを垂らしたり、バターをたっぷりつけてそのまま食べたりした。

 そこら中に牛ちゃんがいるくらいだから、乳製品は充実していて、特にバターはねっとりしていて美味しかった。チーズは食感的にはしょっぱい固い豆腐のような感じ。






+++ フルーツ +++
 とにかく豊富。いろんなトロピカルフルーツがあって、Ecuadorなんてバナナ生産世界一だから20本くらいあるのが1USD。「3本だけちょうだい。」というと律儀におつりをくれたりする。パパイヤとかマンゴーも美味しいけどMarcuyaというパッションフルーツみたいなのはマクドナルドのサンデーのトッピングにもなってるくらいポピュラーなフルーツ。チーズケーキの上にソースとしてかかってるものが美味しくてよく食べた。



 Ecuadorでは‘甘いトマト’と呼ばれる野菜?フルーツ?があって、ジュースにするのだが
味はトマトとは程遠くその名の通り甘くておいしい。
 


 途中の買い食いではミカンをよく食べた。3個で30 centくらい。名前を忘れてしまった
けどデコポンみたいでHuallancaあたりのおばちゃんがみんな食べてた変わったシトラス。
心臓にいいというのでとりあえず食べておいた。フルーツスタンドで売ってたマンゴーア
イスはマンゴーピューレがそのまま凍らせてあって、暑くて乾燥した砂漠地帯を乗ってた
時には激うまだった。※ローカルのホームメードアイスはナイロンの袋に詰めて凍らせて
あるタイプ。もちろん水道水の水だろうからお腹の弱い人は避けるべし。



+++ スナック +++
 Juninで病院に行った後、小腹がすいたのでチーズを売ってるお店に入った時に食べた
Queso(チーズ)パンと温かいMacaドリンク。4,000m以上で寒くて乾燥した道を乗るのに
はもってこいのスナックだった。Macaドリンクは他に何が入ってるのかわからないけど、
控えめな甘みでトロっとしててお汁粉を飲んでるような感じ。滋養強壮・疲労回復が主な
効能らしいのでロングライドにはもってこいだ。




 EcuadorのスナックBolas De Verdeは、青いバナナ(プランテインという大きいバナナ)

をマッシュしたものの中に鶏肉とか野菜を包んで揚げたもの。味や食感は固いジャガイモ

のようで食べごたえがある。辛いソースやマヨソースをつけて食べる。エクアドルに来た

らやはりバナナを食べないと。


 あと、よく食べたのがFran(プリン)。大きい街ではカフェや屋台で見つけておきまり

のように食べた。その他ローカルな屋台の飲み物で一番好きだったのはキヌアドリンク。

Huncayoの夜飲んだキヌアドリンクはおいしかった。温かかくてほんのり甘くてキヌアと

パイナップルのつぶつぶが入っている。トウモロコシの発酵ドリンクであるChichaも悪く

はなかったけどキヌアのほうに軍配かな。


+++ メイン +++
 EcuadorPeruもチキン屋はポピュラーで幾度となくチキン屋に行った。チキンの焼い

たのにフライドポテトとミニサラダがついたPollo De BrasaPeruでの呼び名)は1/4サイ

ズのチキンで大体5,6USDくらい。
 どこで食べてもジューシーで外れがなかった。注文するときは胸肉かもも肉か選ぶこと

ができるのだが、いつも単語を忘れてしまい胸をパンパンっと叩いて“胸肉のほうね“と注文

してた。お持ち帰りのほうが時間が節約できるので部屋に持ち帰って残ったチキンで翌日

のチキンパンなんかも作ったりした。

 チキン以外の国民食としては、意外かもしれないがチャーハン。チキン屋でもどこでも

作ってくれる。醤油なんてどうやって手に入れてるんだろうと思ったりもするが、ちゃん

とチャーハンの味なのだ。山盛り出てくるから余ったのはチャーハンおにぎりとかにして

次の日のライドで食べたりもした。
 たまにニジマスがとれる村ではニジマスの揚げたものを、そうじゃなければ目玉焼き2

プラス、などどちょっと豪華にもしてみたりした夜もある。


 メインディッシュでの一押しは、何といってもコレ。Chicharon。ここでは豚の皮の揚げ

たものをいうのではなくて、豚肉の塊を揚げた料理のことを呼ぶ。ベジタリアンの人は聞

くに堪えられないかもしれないが、村のそこらへんの軒先で放牧されてる豚ちゃんたちが

そのままChicharonになっていくのだ。たまに「う、またうるさい犬たちか」と身構えると

ブヒーっとか言ってニッコリ微笑んできたりする。

 ある長いダウンヒルでどうしても頭に食べ物しか浮かんでこなかった時があって、こ

りゃもう何か食べるしかないなと思ってた時に村のおばちゃんが釜でChicharonを作ってる

のを見つけた。
 青空レストランではすぐお皿に盛ってくれて、食べるのは手だ。空腹のせいもあった

が、もう美味いのなんのって。ラードで揚げ焼きされた皮も脂もついた豚肉のかたまり、

一緒に調理されたジャガイモ、それとは別に茹でたジャガイモ、定番のMote(茹でたジャ

イアントコーン)、そしてライムでマリネされた玉ねぎ。
 身体の一部になっていくような大地の恵みとはまさにこの事。あの時の染みわたる感覚

はずっと忘れないだろう。



また食べたいなあ、あのアンデスの村のChicharon


レース後はお約束のセビッチェとピスコサワー。
はぁ~、下界に戻った♡



~次回に続く~

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